木の床と屋根を鉄筋コンクリートで囲う【鉄筋コンクリート造と木造の建築物】

鉄筋コンクリートと木材で構成された地下1階地上2階建ての建築物です。

Rigid walls & Wooden roof シリーズでは壁式鉄筋コンクリート造の強さと軽量な木質構造屋根により耐震性に配慮しながら温かみのある空間を実現しました。

本計画では屋根の一部を木造とするとともに2階床の一部を木造とし、様々な空間で木材と鉄筋コンクリートの質感を感じることができる建築物としています。

壁式鉄筋コンクリートの壁は強度が高いため、鉄筋コンクリートの梁や床で接続することで力を伝えることができるようにします。本計画では、木の床を囲うように鉄筋コンクリートの庇・床・補強梁を配置する計画とし、常時の荷重や地震時の挙動を評価しています。

木造の柔らかさとコンクリートの硬さを生かす構造体。一貫計算構造解析ソフトウェアのみで評価するのが難しい架構であるため、部分解析モデルで力の伝達を評価しています。

意匠設計:井上洋介建築研究所
構造設計:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:420㎡
階数:2F/B1F
構造:壁式RC造/木造

構造計画上の特徴
人の営みに配慮した混構造/屋根・床軽量化による耐震性能向上/RC高耐力壁/異種構造を接合するディテール/一貫構造計算/部分解析モデルによる応力伝達評価/構造計算適合性判定

意匠パースペクティブ:井上洋介建築研究所(製作:フロムジー)
構造パースパースペクティブ:株式会社楠本玄英構造設計事務所

寒冷地のレセプションセンター【方杖を利用した小屋組み木造建築物】

多雪地域の寒冷地に計画された平屋建ての木造建築物です。

レセプション施設に設備機械を設ける建築計画としているため、建物高さを高く設定する建築条件の建築物です。構造種別を木造としてコスト合理化をはかるとともに、高い階高に対応するため中間梁を有効活用、小屋組みにトラス状の方杖を設け高剛性化をはかっています。

多雪地域であるため大雪を想定した屋根構造部材の検討をしています。耐震性能の評価方法としても積雪を考慮した壁量計算を行っていますが、意匠計画、設備計画に配慮して耐力壁を配置しています。

大雪を想定した構造部材と光を取り込むことができる小屋組をシンプルでスマートに実現する構造計画としています。

意匠設計:株式会社ALA
構造設計:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:約120㎡
階数:1F
構造:木造

構造計画上の特徴
コスト合理化をはかる在来軸組工法/光を取り込み高剛性化をはかる方杖小屋組み/意匠計画・設備計画に配慮した耐力壁配置/多雪地域における大雪を想定した構造部材検討/任意形状の耐震性能を評価する立体解析

斜面に住む【傾斜地を人の営みに調和させるスキップフロア形式住宅

平面的に細長く、傾斜を有する敷地に計画された木造建築物です。

地盤レベルの高低差に対応するため高基礎形式としながら基礎に段差を設け、建物に作用する土圧を鉄筋コンクリート基礎で抵抗できるようにしています。

建物中央付近に階段を設け、高さ方向の動線にあわせて床のレベルを設定する建築計画です。各レベルの床が相互に力を伝えることがきるようにするとともに耐力壁をバランスよく配置する構造計画としています

床レベル差が大きいこと、平面的に細長いことから建物をゾーニングし、各ゾーンで建物水平耐力を確保するように耐力壁を設け架構の安定化をはかっています。3次元モデルで形状の確認して、建物の挙動を確認しています。

意匠設計:森田信太郎建築設計事務所
構造協力:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:70㎡
階数:2F
構造:木造RC造高基礎

構造計画上の特徴
縦動線にあわせたスキップフロア在来軸組工法/地盤レベルの高低差に対応し土圧を受ける高基礎/ 任意形状立体解析/ゾーニングによる耐震性能評価/

Rigid walls & Wooden frameまち化する福祉施設 レンガの家

日本財団みらいの福祉建築プロジェクト2021選定プロジェクトです。
敷地内にある納屋や基礎跡を資源として改修しホースガーデン、アトリエ、納屋兼ショップ、野外ダイニングとして使用する計画です。
福祉とは異なる活動が敷地内にあることで地域に開かれた社会的資源として考えられています。
中心となるレンガの家は既存棟を一部減築した上で増築し、その2棟を大きな屋根とレンガの縁側という中間領域でつないでいます。
1階はレンガをRC造の耐力壁で包むようにしています。積雪量を軽減することができる勾配屋根として軽量な木造で2階は計画しています。
計画地周辺で多く用いられてきたレンガを残しながら、温かみのある木造空間を実現するために現代の技術を取り入れた計画としています。

意匠設計:トコト一級建築士事務所、KSA
構造設計:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:約330
階数:2F
構造:壁式RC造/

構造計画上の特徴
地域の象徴と温かい空間を実現する混構造分棟を包む木造大屋根/積雪量を低減する勾配屋根/既存外壁レンガを補強するRC高耐力壁温かみのある木造架構空間/一貫した構造設計思想とする複数棟同時検討/任意形状の耐震性能を評価する立体解析

耐震性能とコスト合理化を考慮した架構検討【事務所ビル

本建物は地上12階建ての事務所ビルで、高層階に住居を有する計画です。敷地形状の制約から建築物の幅と高さの比である搭状比が1:4を超えています。
搭状比が高いことから耐震性能を確保することを構造計画の主テーマとし、偏心エレベーターコアにあわせた構造部材配置としました。
建設資材の高騰化によりコスト合理化について検討する必要があり、鉄骨造のラーメン架構、鉄骨造のブレースを有するラーメン架構、RC造の偏平柱ラーメン架構を検討しました。
基礎は杭基礎とし、1階床はフラットスラブとしています。地震力によって想定される大きな引き抜き力に抵抗するカウンターウェイト(おもり)として1階フラットスラブは計画しています。

構造設計:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:約1100
階数:12F
構造:鉄骨造ラーメン架構/鉄骨造ブレースを有するラーメン架構/RC造ラーメン架構

構造計画上の特徴
耐震間柱を有する鉄骨造ラーメン架構/コスト合理化をはかる鉄骨造ブレースを有するラーメン架構/偏平柱を有するRC造ラーメン架構/偏心コアを利用する耐震構造システム/カウンターウェイトフラットスラブ/杭基礎/一貫構造計算

蛇行型プラン分棟木造建築在来軸組工法の集合住宅】

敷地形状にあわせた蛇行型平面計画に対して木造在来軸組工法を適用した計画です。
中庭に光や風が通るように計画され、居室から出入りできるフライングバルコニーから中庭を眺めることができます。
分棟形式であるためぞれぞれの棟に生じる地震力や荷重の伝達を立体応力解析により計算するとともに、ゾーニングされた棟ごとに壁量を確保し耐震性能を評価しています。

構造設計:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:998㎡
階数:3F
構造:木造

構造計画上の特徴
蛇行型平面計画在来軸組工法/分棟形式在来軸組工法/フライングバルコニー/任意形態の耐震性能を評価する有限要素立体解析/ゾーニングによる耐震性能評価

現地特性を考慮した複数棟同時構造検討アフリカの病院】

延床面積30000㎡を超えるアフリカの総合病院。分散配置の部門をホールでつなぐ計画とし、地域風土、慣習に呼応した総合病院のあり方を追求しています。

吹き抜け空間、ウィング形式の平面計画など技術力を要する建築計画に対して、現地で施工することができる工法である無理のない鉄筋コンクリート造の構造計画としています。

敷地周辺の断層の状況を確率理論で評価し、想定する地震力を設定しました。

意匠統括:AET & Associates
意匠設計:KFコンサルタンツ/株式会社白井一級建築士事務所/Side by side
構造設計:BIN一級建築士事務所/楠本玄英構造設計事務所
用途:総合病院/19棟
計画地:アフリカ
延床面積:39,959㎡
階数:3F
構造:RC造/鉄骨造/

構造計画上の特徴
現地特性を考慮した構造計画/フレキシビリティの高いRC造ラーメン架構/一貫した構造設計思想とする複数棟同時検討/敷地周辺断層評価/一貫構造計算/部分架構立体解析

Rigid walls & Wooden roof寒冷地の別荘計画】

寒冷地における平屋の別荘計画です。
鉄筋コンクリートの強さと軽量な木質構造屋根により耐震性に配慮しながら温かみのある空間を実現するためにと考えた計画です。
多雪地域特有の雪の重量を考慮して計画しています。

意匠設計:井上洋介建築研究所
構造設計:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:216㎡
階数:1F
構造:壁式RC造木造

構造計画上の特徴
人の営みに配慮した混構造/屋根軽量化による耐震性向上/RC造高耐力壁/多雪地域積雪荷重検討/ 任意形状立体解析

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