守りの屋根【道草書店 ETHICAL BOOKS

真鶴の町とともに本屋をつくる。カフェと子ども図書館を併設した複合型書店のエントランスを守る屋根の計画です。

店舗前の道路の曲線と調和するようにデザインされた曲線上の軒先ライン。軒先から少し下がった位置に柱と梁を組み、方杖と斜材を設けることで耐震強度を向上する構造計画としています。腰壁部分の頂部に受材を設けた上で、構造用合板を梁と土台の間に貼り、柱の足元が硬くなるようにしています。

視線と空間を外部に開放しながら架構の安定化をはかるように構造計画しています。

建築主:道草書店(神奈川県真鶴町)
意匠設計:森田信太郎建築設計事務所
構造協力:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:約9㎡
階数:1F
構造:木造
写真:樋口晃亮

構造計画上の特徴
方杖と腰壁を利用した在来軸組工法/曲線ラインの屋根/任意形状立体解析

利用者のアクティビティに配慮した架構計画【シェアオフィス

地上3階地下1階建ての事務所ビルです。

平面形状は台形に近く東側にコアスペース用の突出部を有しています。建物中央付近に光井戸となる階段室を設け、西側に吹き抜け空間を有する計画としています。
屋上庭園やアウトドアラウンジを設けることで利用者のアクティビティを高め個室、コワーキングラウンジ、ギャラリーなどの執務空間は間仕切り壁およびガラスによって区切られている建築計画です。

フレキシビリティの高い鉄骨ラーメン架構を採用する構造計画とし、主架構から片持ち梁を設けることで平面計画自由度を向上しています。吹き抜け空間では梁を設けず空間の開放性を高めるとともに、アウトラウンジと一体的な空間とを感じることができるように配慮しています。

外部で見えがかりとなる柱については常時荷重を支持するものの、地震時に大きな力が柱に作用しないディテールとすることですっきりとした柱としています。

地下および基礎は鉄筋コンクリート造とし、設備用ピットを設けています。地下の鉄筋コンクリートの壁は耐力壁とするとともに土圧に抵抗する構造計画としています。

各スペースの用途に調和するように、シンプルに、無理なく構造計画をしています。

意匠設計:KAMIYA ARCHITECTS
構造協力:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:約700㎡
階数:3F/B1F
構造:鉄骨造/RC造

構造計画上の特徴
フレキシビリティの高い鉄骨造ラーメン架構/屋上庭園利用荷重計画/スペースを広げる片持ち梁/吹き抜け部を安定化する架構計画/基礎カウンターウェイトスラブ/直接基礎/一貫構造計算/部分解析モデルによる突出部構造検討/構造計算適合性判定

建築計画と調和するRC造高耐力壁伝統工芸教室と共同住宅の複合施設】

1階を伝統工芸教室とする共同住宅の計画です。

壁式鉄筋コンクリート造として計画しています。機械式駐車場を有するとともに周辺敷地との関連から高さの制約がありました。
長方形プランの一部をスキップフロア形式としながらセットバックするように計画し、居室面積を大きく確保できるようにしています。

平面計画上、壁を設けるのが難しい場合は力の伝達をスムーズにする直交梁などを設け、平面計画と調和するように配慮しています。

利便性を考えながら豊かな空間を実現すること。建築計画から床段差が多い建築条件となりましたが、床水平構面と耐力壁の力の伝達を検討することで建築計画と調和する構造計画を実現しました。

意匠設計:ツズキオフィス
構造設計:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:約500㎡
階数:4F/B1F
構造:壁式RC造

構造計画上の特徴
スキップフロアを接続する逆梁/セットバック形式/力の伝達をスムーズにする直交梁と直交壁/RC造高耐力壁/機械式駐車場荷重設定/一貫構造計算

建築条件に適合するテナント計画オンライン配信収録施設

オンライン配信・収録拠点とするスタジオ新設計画です。テナント計画に対して、構造強度に関連する建築条件のアドバイスをしました。

鉄筋コンクリート造建築物の構造計算上の仕上げ荷重、積載荷重を設計図書から読み取り、テナント計画の荷重条件に適合するように配慮しています

テナント計画の場合、建築物の改修履歴が複雑になることがあります。建築物の状況を把握することで、構造耐力とコンプライアンスの両面からアドバイスをすることができます

通信技術の発展、社会情勢の変化によって需要の拡大が著しい動画配信事業の拠点となる施設。建築条件に適合し建物を有効活用することでアドバンスドテクノロジーを支援しています。

建築主:DeNA(株式会社ディー・エヌ・エー)
意匠設計:株式会社白井一級建築士事務所(写真提供)
構造協力:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:約870㎡
階数:3F
構造:RC造屋内照明用支持鉄骨検討】
https://dena.com/jp/press/5004/(DeNA様ホームページ)

構造計画上の特徴
建築物の有効活用建築物の荷重条件に適合するテナント計画建築物の状況にあわせた強度確認と法令確認

丘の上の分棟形式住宅傾斜地の住宅】

傾斜地である敷地に分棟形式の建築物を建設するプロジェクトです。

1階にテラス、B1階に吹き抜け状の中庭を有しています。人工地盤にあたる地下部分を壁式鉄筋コンクリート構造とし、その上に在来軸組工法の建物を2棟設け渡り廊下でつなげています。

各棟をつなぐ渡り廊下に大きな力が生じないようにバランスよく耐力壁を配置するとともに地震時の挙動を立体解析によって評価し、渡り廊下の構造耐力上の健全性を確認しています。

リビング上部の切妻屋根については小屋梁を設けず、鋼製のタイバーを設けることで架構の安定化をはかりながら空間をすっきりするように配慮しています。

地下部分は土圧を受けるため、鉄筋コンクリート壁が抵抗するようにしています。エントランス部の跳ね出し壁については、土圧荷重時の荷重伝達を有限要素解析で評価して構造設計を行っています。

傾斜地に人工地盤をつくり、各スペースの隙間から光が注ぐ空間。一般的な構造技術を組み合わせた架構とすることで立体的な空間構成を実現し、人の営みを支えています。

意匠設計:ツズキオフィス
構造設計:楠本玄英構造設計事務所
延床面積:約220㎡
階数:2F/B1F
構造:木造/壁式RC造

構造計画上の特徴
分棟形式在来軸組工法/視線を通すスティールタイバー/地下構造の有限要素解析評価/任意形状の耐震性能を評価する立体解析

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